保険の棚卸しをしていると、「この医療保険、続けるべきですか?」という質問を必ずいただきます。
そこで一度、電卓を叩いてみてほしいのです。あなたが払う保険料の総額と、受け取る可能性のある給付金——どちらが大きいか。この記事は「医療保険不要論」ではありません。ただ、数字を見てから決めても遅くない、という話です。
入院日額5,000円の損益分岐点
仮に、入院日額5,000円の医療保険に月3,000円の保険料で30年入るとします。払込総額は約108万円。これを入院給付金だけで回収するには、通算216日の入院が必要です。
現実はどうか。入院は年々短期化していて、平均在院日数は20〜30日程度(病気により大きく異なります)。何度も長期入院を繰り返さない限り、払った額より受け取る額の方が少ない——保険とは本来そういうもの(だからこそ保険会社が成り立つ)ですが、その前提を知った上で入っているかが問題です。
日本には「高額療養費制度」という土台がある
医療費の自己負担には、健康保険の高額療養費制度で月ごとの上限があります。一般的な所得層なら月の自己負担はおおむね9万円前後が上限(所得により変わります)。仮に3ヶ月入院しても、医療費の自己負担は数十万円のオーダーに収まるのが基本です。
つまり「医療費で家計が破綻する」リスクは、公的制度がかなりの部分を受け止めてくれている。民間の医療保険は、その上乗せ(差額ベッド代・食事・収入減など)をどこまで買うか、という話なのです。
「保険料を積立に回す」という代替案
そこで出てくるのが、医療保険の保険料と同額を、積立投資に回すという選択肢です。
月3,000円を年数%で30年積み立てた場合、過去実績ベースでは払込総額108万円が200万〜300万円規模に育つ試算になります。このお金の最大の特徴は——
入院してもしなくても、使える。
医療費に使うのはもちろん、介護・リフォーム・旅行・孫への援助、何にでも使えます。給付条件も請求手続きもない「自分だけの給付金」です。実際に月1,000円の積立を26年続けて、元本31万円が約300万円に育っていた実例もあります(過去の実績であり将来の保証ではありません)。
医療保険を「持つべき人」もいる
公平のために、保険が合理的なケースも明確にしておきます。
- 貯蓄がまだ薄い人——積立が育つ前に大病をしたら?という端境期のリスクは保険でしか埋められません。貯蓄が育つまでの掛け捨ては合理的です
- 自営業・経営者——傷病手当金がない(または薄い)ため、入院中の収入減が直撃します。医療保障より就業不能への備えを厚く、が正しい優先順位です
- がん家系など特定リスクが高い人——自由診療への備えのような、貯蓄では届かない金額のリスクは保険の出番です
なお、すでに入っている保険をやめる前に、三大疾病などの支払条件と給付漏れがないかの確認を。「使ってから、たたむ」が正しい順番です。
よくある質問
Q. 65歳払込済みの終身医療保険はどうですか?
A. 「老後は保険料ゼロで保障が続く」設計は魅力的に見えますが、その分現役時代の保険料は割高です。同じ差額を積み立てた場合との比較で判断してください。なお払込期間を長く取る(終身払い)方が月額は安く、見直しの自由度も高くなります。
Q. 貯蓄と保険、結局どう配分すれば?
A. 「公的制度で足りない部分」を洗い出し、貯蓄で持てる部分は貯蓄で、貯蓄では届かない大きなリスクだけ保険で——が原則です。この線引きこそ個別診断の価値がある部分です。
まとめ
保険は感情で入って、惰性で続くもの。だからこそ一度、数字で棚卸しする価値があります。いまの保険料と保障内容から「続ける・やめる・組み替える」の損益分岐を無料で診断しています。
→ 無料個別セミナー「退職金と自分年金のつくり方」に申し込む
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、保険の解約を推奨するものではありません。高額療養費制度の自己負担上限は所得・年齢により異なります。運用実績の例は過去のものであり将来の成果を保証しません。解約・見直しの判断は保障の空白が生じないよう慎重に行ってください。
