中東情勢、原油高、物価の再上昇——ニュースが不穏になると、「投資を続けて大丈夫?」という相談が増えます。
お客様との定例面談でも毎回お伝えしている、歴史のデータに基づく答えはこうです:戦争そのものが株式市場を長期低迷させた例は、ほとんどない。ただし1つだけ例外がある——エネルギー価格です。
歴史上、「戦争で株が長期低迷」はほぼ起きていない
意外に思われるかもしれませんが、過去の主要な戦争・紛争の局面を振り返ると、株式市場は開戦前後に一時的に下げた後、比較的早く回復するパターンを繰り返してきました。第二次世界大戦、朝鮮戦争、湾岸戦争、イラク戦争——いずれも、長期投資家の資産形成を破壊するような恒常的な下落にはなっていません。
理由は冷静に考えるとシンプルで、戦争は軍需・復興・財政出動という形で経済活動をむしろ加速させる側面があるからです(倫理的な評価とはまったく別の、市場の観察としての話です)。
唯一の例外——1970年代のオイルショック
では市場が本当に長く苦しんだのは何だったか。1970年代のオイルショック、つまり原油価格の急騰とそれが引き起こしたインフレです。エネルギーはあらゆる産業のコストなので、原油高が続くと企業収益が広く圧迫され、物価上昇が家計を締め付け、中央銀行は利上げを迫られる——この三重苦が株式の長期低迷を招きました。
だから、地政学ニュースを見るときのチェックポイントは「戦闘の規模」ではなく、「エネルギー価格に波及しているか」です。中東情勢が要注意とされるのは、まさに産油地域だからです。
いまの局面で確認すべきこと
原油価格が上がり、物価指数がじわりと再上昇する局面では、次の視点で自分のポートフォリオを見てください。
- 保有ファンドの中身は「価格転嫁できる企業」か——原材料コストが上がっても、値上げしても顧客が離れない強いブランド・独占的な事業を持つ企業は、インフレ局面でも利益を守れます
- 急落は積立投資家にとって「安く買える月」——ドルコスト平均法は、下げ相場でこそ口数を稼ぐ仕組みです。むしろ機能している瞬間です
- 狼狽売りが最大の敵——有事の下落で売った人は、その後の回復を取り逃します。過去の相場が繰り返し証明してきたパターンです
なお、資金がAI関連に集中して安定株が売られる、といったセクター間の資金移動も同時に起きています。この構図はAI相場で「安定型ファンド」が売られる理由で詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 有事に強い資産に移すべきですか?
A. 「有事の金」という言葉がありますが、金は価格変動が大きく、長期のリターン源泉(企業利益のような付加価値)を持ちません。避難のつもりの乗り換えが高値掴みになる例は多く、長期資金は分散した株式中心の設計を維持するのが基本です。
Q. 戦争が拡大したら積立を止めるべき?
A. 歴史のパターンに従えば逆です。積立は続け、むしろ余剰資金があればスポット買いの検討余地すらある局面です。ただし生活防衛資金(生活費半年〜1年分)は必ず現金で確保した上で、です。
まとめ
不穏なニュースの時こそ、感情ではなく歴史とデータで判断する価値があります。ご自身のポートフォリオがインフレ・エネルギー高に耐える中身になっているか、無料で診断しています。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や売買推奨を目的としたものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。
