経営者の方が法人で医療保険に入る理由は、「保険料を損金にできるから」がほとんどです。それ自体は正しいのですが、実はこの設計の本当の価値は出口にあります。
退職時に契約者を法人から個人へ変更すると、その後は保険料を1円も払わずに、一生涯の医療保障を個人のものとして残せる——この記事では、その仕組みと注意点を解説します。
法人契約の医療保険の基本構造
契約者=法人、被保険者=経営者という形で医療保険に加入すると、支払う保険料は要件を満たせば損金に算入できます。保険料の払い込みを65歳などで終える「短期払い」にしておくのがポイントで、在任中に会社のお金で保険料を払い切ってしまうのがこの設計の土台です。
退職時に「契約者変更」で個人へ引き継ぐ
払い込みが終わった保険は、契約者を法人から個人へ変更できます。このとき個人は、その時点での保険の評価額に相当する金額を会社に支払って買い取る形をとります。医療保険は貯蓄性が低いため、この評価額は一般に小さく、わずかな負担で買い取れるケースが多いのが実務です。
買い取った後は——
- 保険料の支払い:なし(払い込みは完了している)
- 保障:一生涯継続、給付金は個人が受け取る
- 入院・手術給付金は個人受け取りなら非課税
つまり「会社のお金で作った保障を、退職後の自分の財産として持ち続ける」ことができます。
在任中に給付金が出た場合はどうなる?
契約者が法人のうちに入院・手術をすると、給付金はいったん法人に入り、益金になります。この場合は役員への見舞金という形で一部を個人へ渡す方法があります。詳しくは法人が受け取った保険金の経理処理の記事で解説しています。
注意点は3つ
- タイミング——契約者変更は退職・払込完了のタイミングに合わせて行うのが基本です。退職金の支給と合わせて設計しておくとスムーズです
- 評価額と経理処理——買い取り価格の算定や仕訳は商品・時期によって扱いが変わるため、実行前に保険会社と顧問税理士に確認してください
- 健康状態は関係なく引き継げる——契約者変更に告知や診査は不要です。持病ができた後でも保障をそのまま持ち出せるのは大きな利点です
役員退職金と合わせた出口の全体設計は、役員退職金の準備は変額保険が有力な理由もご覧ください。
よくある質問
Q. どんな医療保険でもこの設計ができますか?
A. 終身保障・短期払いの商品であることが前提です。定期型(更新型)だと払い込みが終わらないため、この出口は使えません。加入時の商品選びが重要です。
Q. すでに法人で加入済みですが、いまから出口を設計できますか?
A. できます。現在の契約内容(保障期間・払込期間)を確認したうえで、退職予定時期に合わせたプランに整えるのが第一歩です。
まとめ
法人保険は「入るとき」の損金メリットだけで語られがちですが、価値の半分は出口にあります。いまご加入の法人保険に出口設計があるか、無料の個別セミナーと相談で確認できます。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。契約者変更時の評価額・税務処理は契約内容や時期により異なります。実行の際は必ず保険会社および顧問税理士にご確認ください。
