「社長の万一に備えて、死亡保障は1億円」——法人保険の提案でよく見る数字です。この1億円、なぜ1億円なのか説明できますか?
保障額は「なんとなく大きく」ではなく、目的から逆算して決めるものです。そして無借金で資産が育っていく会社の場合、その答えは「毎年減っていく保障」=逓減定期になることがあります。
定石の「箱型」保障は、借入がある会社のための形
死亡保障の形には大きく2つあります。
- 箱型(平準定期)——保険期間中ずっと保障額が一定。例:20年間ずっと1億円
- 逓減型(逓減定期)——保障額が毎年少しずつ減っていく。例:当初1億円→毎年数百万円ずつ減少
借入が大きい会社は箱型が合理的です。社長に万一のことがあれば借入の一括返済を迫られ得るので、借入残高が続く限り、大きな保障を維持する必要があるからです。
でも、無借金の会社ならどうでしょう。
資産が増える分だけ、必要な保障は減っていく
保障の目的が「万一のとき、会社と家族に1億円を残すこと」だとします。
同時にその会社が、法人口座や変額保険で月30万円の積立運用をしているとしましょう。過去実績ベースなら20年で1億円規模に育ちうる積立です。ということは——
- 1年目:資産はまだ小さい → 保険で1億円近く必要
- 10年目:資産が数千万円に → 保険は差額だけでいい
- 20年目:資産が約1億円に → 保険はもうほぼ要らない
「保険+自前の資産=常に1億円」を保てばいいのだから、資産の成長に合わせて保障は毎年減らせる。この形にぴったり合うのが逓減定期です。
実例:同じ目的で年33万円の差
実際の設計事例では、「万一のときに約1億円」という同じ目的に対して——
- 箱型(平準定期)で組んだ場合:年間保険料 約85万円
- 逓減定期で組んだ場合:年間保険料 約52万円
その差、年33万円。20年続けば660万円です。同じ目的を果たすのに、資産形成とセットで設計するだけでこれだけ変わります。浮いた保険料をさらに積立に回せば、資産の成長は加速し、保障への依存はもっと早く減っていく——好循環です。
なお、更新型の保険からの見直しでこの発想を使うケースも多いです。更新で保険料が上がる仕組みは10年更新の法人保険の記事で解説しています。
逓減定期が向かないケース
正直に、向かない条件も挙げます。
- 借入が大きい/今後増える予定——返済原資は減らせないので箱型が基本
- 運用をしていない・する予定がない——資産が育たないなら保障は減らせません。逓減定期は資産形成とセットで初めて成立する設計です
- 保障目的が「相続・遺族の生活」で金額固定——遺したい金額が決まっているなら、終身保険や平準型の出番です
つまり逓減定期は単体の商品というより、「運用+保険」を一体で設計する会社のための部品です。
よくある質問
Q. 途中で借入をすることになったら?
A. その時点で必要保障額を計算し直し、上乗せの定期保険を追加すれば対応できます。「小さく持って、必要になったら足す」方が、過剰保障を持ち続けるよりコスト効率は良いです。
Q. 逓減定期の保険料も損金になりますか?
A. 定期保険の損金算入は最高解約返戻率などにより取り扱いが分かれます(逓減定期は返戻金がほぼないため全額損金となる設計が一般的ですが、商品によります)。契約前に税理士と設計を確認してください。
まとめ
保障は「大きいほど安心」ではなく「目的に合っているか」がすべてです。御社の借入・資産・積立計画から必要保障額を逆算し、保険料の最適化まで無料で設計します。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。保険料例は条件により異なります。税務上の取り扱いは契約内容・時期により異なるため、顧問税理士にご確認ください。運用実績は将来の成果を保証しません。
