「前に一度、社員向けにDCの説明会をやってもらったけど、あれから新しい社員も入ったんだよね」——企業型DCを導入している経営者の方から、先日いただいた相談です。

実はこれ、とても大事な気づきです。企業型DCは「導入したら終わり」ではなく、従業員への継続的な投資教育が事業主の努力義務とされている制度だからです。

投資教育は「導入時に一度」ではなく「継続的に」

確定拠出年金法では、事業主に対して従業員への投資教育を行うことが求められており、導入時だけでなく継続的な教育が努力義務と明記されています。

背景はシンプルで、DCは従業員が自分で運用商品を選ぶ制度だからです。知識ゼロのまま放置すれば、「よくわからないから元本確保型のまま」「そもそも自分がDCに入っている自覚がない」という状態が量産されます。それは従業員の老後資産の機会損失であり、せっかく導入した福利厚生が価値を発揮しないということでもあります。

資料配布だけでは、興味のある人しか読まない

「資料を配っておけばいいのでは?」——現場感覚で言うと、資料だけで行動を変えられるのは、もともと投資に積極的な一部の人だけです。大半の従業員にとってDCの資料は「よくわからない書類」であり、読まれずに終わります。

だからこそ、顔を合わせて質問できる場に意味があります。

説明会で伝えるべき3つのこと

1時間の説明会で伝えるべき核は、実は3つだけです。

  1. 制度の仕組み——毎月いくら積まれていて、税制上どれだけ得か(給与でもらうより社会保険料・税金の面で有利な構造)
  2. 商品の選び方——元本確保型と投資信託の違い、年齢・目的に応じた考え方。商品を指定するのではなく「選び方の軸」を渡す
  3. ほったらかしの避け方——マイページの見方と、年1回だけでも残高を確認する習慣

現実的な運用:有志参加・1時間・入社のタイミングで

全員必須にすると形骸化しがちです。実務としてうまく回るのは——

  • 新しく入社した人+聞きたい人の有志参加
  • 1時間のセミナー形式(質疑込み)
  • 入社が数名たまったタイミング、または年1回の定例

という軽い設計です。外部の専門家(IFA・FP)に依頼すれば、会社側の準備は日程調整だけで済みます。特定商品の販売を伴わない中立的な情報提供の形にすることが、従業員の信頼の面でも重要です。

制度自体のルール(何歳まで積めるか・受け取り方)は企業型DCは何歳まで積める?で解説しています。

よくある質問

Q. 投資教育をやらないと罰則がありますか?
A. 努力義務なので直接の罰則はありません。ただし従業員の資産形成に直結するうえ、導入企業としての善管注意の観点からも、実施しておくのが望ましい運用です。

Q. 従業員から「どの商品がいいか」と聞かれたら?
A. 会社や担当者が特定商品を推奨するのはトラブルの元です。「選び方の考え方」までを教育で提供し、個別判断は本人に委ねる線引きが基本です。

まとめ

企業型DCは、従業員が理解して初めて「福利厚生」になります。弊社では導入企業向けに、従業員説明会(1時間・セミナー形式)の開催をお手伝いしています。新入社員が増えたタイミングでの開催など、お気軽にご相談ください。

無料個別相談を予約する(DC説明会の相談)

経営者ご自身の退職金・DC活用は、無料個別セミナーでどうぞ。

無料個別セミナー「役員退職金と自分年金のつくり方」に申し込む


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度内容は執筆時点の情報です。個別の制度設計・規約変更は運営管理機関および専門家にご確認ください。